予防歯科preventive dentistry

これからは予防の時代

これまでの歯科は、「すでに進んでしまった病気をどう治そうか」ということばかりに取り組んできました。 今、そういった医療のあり方が反省期に入ろうとしています。

 

PMTCは予防の要

最近の研究によれば、虫歯や歯周病は、ある特定の細菌によって起こることがわかってきました。つまり、その細菌たちを口の外に追い出せば、ほとんどの歯の病気は防げるということです。
PMTCというのは歯科衛生士が、行うお口の清掃プログラムのことです。これにより歯磨きなどでは取れにくい悪い細菌を徹底的にこすり落とします。
PMTCは、歯や歯肉の清掃を専門の器具を使って丁寧に行います。

 

歯科の目的はヘルスプロモーション

歯科医療の究極の目的は、歯や口腔の知識をもとにして、ヘルスプロモーション(健康支援)を展開することです。
感染症でもあり、生活習慣病ともいわれる歯科疾患に対して、口腔ケアを継続していくことは賢い対応であり、患者様自信にとって大きなメリットが得られることなのです。

こんな方にお勧め

  • 虫歯の多い方
  • 虫歯の多い子供(特に歯の生え変わり時期)
  • 矯正の術前・術後
  • 虫歯菌の母子感染防止のため(母親に対して)

 

手順

PMTCを行った後、個人の歯型に合わせて作ったマウスピースに殺菌作用のある薬剤(0.2%CHXゲル、10%ポビドンヨードゲル)を5分間作用させます。その後、歯のミネラル成分補給のため、MIペーストを作用させて終了です。

 

上記を2回行います。1回目と2回目の間、自宅でフッ素ジェルによる除菌をしてもらいます。
※歯周病の進んだ方は、月に1回のペースで行います。(3ヶ月に1回、6ヶ月に1回もあります。)

歯周病

歯を失う原因の第一位は歯周病です。
歯周病は初期の段階ではあまり症状もなく進行していき、歯ぐきの炎症を起こし歯の周りの骨を溶かし、やがては歯が抜けてしまう怖い病気です。
最近では心臓病、糖尿病との関連が問題視されています。
歯周病は数種類の細菌が関与した細菌感染症で、プラーク(歯垢)が溜まることで、歯周病の進行を招きます。細菌は次第にバイオフィルムという集合体を形成します。 数種類の細菌の集団が集まってコロニーを形成しており、バイオフィルムは強力なバリヤーになっているので、薬も効果がありません。
いったん出来てしまったバイオフィルムは歯磨きでは除去出来ません。